長男相続は農業社会では農地所有の細分化は農業ができなくなるのが必至だから、民主的でなかろうとこの規定は農業社会の維持にとっては絶対に必要であったが、これを捨てたということは農業を捨てたことを意味する。「農は国の根幹」と言われた時代からの180度の方向転換であった。遺産相続をどうするかが遺族にとって頭が痛くなる問題になった。集まっている相談の場に、「俺も子供の一人だ」と言って見知らぬ男が来る事態さえあった。分け前にあり付こうとする欲丸出しの相談になるから、結論は売って金にして分配というところに落ち着くのが通例となった。不動産業者はこうなることが分かっているから、別室に待っていて、話が纏まるや否や相談している場に即座に入って来て、買収金額はこれこれ、分配するとこういう数字になります。税金は…などという離れ業を演じている人もいた。円満解決は互譲の精神で資されるものではなかったのか。これでは後味の悪いものになってしまう。談合解決というべきだ。