物を減らせとか壁を見せろとか大きな家具を置くな建具を外せ、などと言ってきましたが、そんなことをしたって平面的な広さは少しも増えていません。それなのに、こんなことをすると広くなるというのは、感覚的に広く感じるということです。何が変わって感覚的に広く感じるのか、それは視覚的に広がるからです。つまり同じ面積の場所でも、そこを区切る区画いっぱいまで見通せると広く感じるわけです。人間には五感があります。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の五つですが、この中で最も敏感なのは視覚です。
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人間は視覚的動物と言われるのはそれ故です。狭いと感じたらそれは視覚が限定されすぎているからだ、と思えば当たっています。しかしもう一歩踏み込んで考えてみると、狭いとか広いとかの判断には、心のもちようも大いに関係しています。ある人は狭いと思うのに、別の人は広いと感じることだってあります。だから同じ広さの部屋でも、人によって狭くも広くも感じるわけです。こうなると心のもちようが問題です。自分の家がどうにも狭くてならんと思い続ければ、それがストレスになります。これは精神衛生上よい状態とはいえません。見通せれば広く感じるということも、このかぎりでは自己暗示なのかもしれません。