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社会保障制度審議会での勧告

認識が日本の政府にまったくなかったわけでない。住居の劣悪な状態、それをもたらした戦後の住宅・土地・都市政策の誤り、居住状態の改善・安定なしに社会保障は成立しないことなどは、これまでにも政府機関自身によって指摘されてきた。たとえば昭和37(1962)年8月22日、総理府社会保障制度審議会は「社会保障制度の総合調整に関する基本方策についての答申および社会保障制度の推進に関する勧告」を池田勇人内閣総理大臣に提出した。

(参考サイト)
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そこでは次のように問題の指摘と改革の方向が述べられている。「わが国の住宅難は国民全体の問題である。これに対する国の施策が不十分であるうえ、近年の産業構造の変革、人口の過度な都市集中などがこの問題をいよいよ深刻にしている。とくに国の住宅政策は比較的収入の多い人の住宅に力を入れているので、自己の負担によって住宅をもつことができず、公営住宅を頼りにするよりほかない所得階層の者はその利益にあずからない。これでは社会保障にはならない。住宅建設は公営住宅を中心とし、負担能力の乏しい所得階層のための低家賃住宅に重点をおくよう改めるべきである。」厳しい批判である。もしこの勧告に従って住宅政策が展開されていれば、国民の居住状態は少しはよくなっていただろうと思われる。いうまでもなく、実際はこれとは正反対の方向に進んだ。