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「DTP」が印刷業界にもやってきた

一九九〇年代中頃、「DTP」が印刷業界にもやってきた。DTPはDeskTopPublishingの略である。訳せば「机上出版」。机の上に載せられるような小さなコンピューターで出版ができてしまうというイメージだ。DTP自体がアメリカで誕生したのは、それより十年遡る。グラフィックが得意な〈マッキントッシュ〉というパソコンとレーザープリンタが生んだ、パソコンによる組版システムである。DTPも電算写植も、コンピューターを使った組版には違いないのだが、パソコンを使ったという点て両者は区別された。いまでこそプロ用の組版機器でも、パソコンの範躊の機械を大量に使用するようになっているが、一九八〇年代、パソコンとはプロのコンピューターエンジニアから見れば、金のとれる仕事ができるような機械ではなかった。コンピューターらしいことはするがコンピューターそのものではない、いわばコンピューターの「模型」にすぎなかったのだ。それだけにその価格は桁がふたつ違った。電算写植システムが数千万円だったとき、DTPシステムは数十万円でしかなかったのだ。
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