公団・公社は、社会的使命として住宅を造っているため、民間の不動産会社が造る住宅とは異なる特徴を持っている。その違いはマンションにおいて特に強く見られる。例えば、公団・公社のマンションは、デザインの良さよりも頑丈さや広さ、いわゆる基本性能の良さを追求する。民間のマンションが60平方メートル前後で3LDKの間取りを造ってしまうのに対し、公団・公社では、80平方メートル前後の広さとする。90平方メートルや100平方メートルの3LDKも少なくないほどだ。一方、民間マンションにも長所はある。公団・公社と民間のどちらが優れているか、を断じることはできないのが実情だ。例えば、民間のマンションはゆとりが少ない分、外観・内装のデザインに力が入れられるし、小さなデッドスペースを生かして収納を設けたり、出窓で広さを演出したりするなど細かな工夫が多い。この工夫により、専有面積以上の広さを感じさせてしまうのが、民間マンションの強みだ。オートロックシステムや宅配便ボックスなど設備、サービスが充実しているのも民間マンションのほう。一方、公団・公社の特徴はゆとりとともに、建物の耐久性、耐震性が挙げられる。阪神・淡路大震災のときも公団のマンションは1棟も壊れず、修理だけで今も使われている。公団・公社が造る住宅の丈夫さを証明するエピソードだ。